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宗教、宗派によって変わる葬儀

今日は宗教、宗派によって変わる「お葬式」の話

日本には様々な宗教が存在しています。

一口にお葬式といってもその宗教によって式の流れや、しきたりが違います。

では亡くなってから火葬までを比較していきましょう。

【仏教葬】日本で行われる葬儀の約9割が仏教スタイル

6世紀半ばにアジア大陸を経て日本に伝えられた仏教は、貴族・武家・庶民にまで拡がり、現在では13宗56派が存在しています。

一般的な葬儀は、故人とお別れの時間を過ごす「通夜」と、最後のお別れをする「告別式」を行います。

葬儀の考え方は、宗派によって異なります。

※引用元「ちいさなお葬式WEBサイト」さん、「葬儀の窓口第一社」さん

    「公益社」さん

浄土真宗→開祖:親鸞聖人(しんらんしょうにん)」

亡くなるとすぐに南無阿弥陀仏によって極楽浄土に導かれ、仏になると考えられています。(即身仏→亡くなってすぐ仏様になるという考え)そのため、葬儀においても他の宗派のように、成仏を祈ったり、死の旅に出るための準備をしたりする儀式はありません。

浄土真宗の教えでは、故人と永遠に別れるという発想はないので、「告別式」という表現はふさわしくありません。また、礼拝・拠り所にする対象はあくまでも阿弥陀如来で、遺体を礼拝の対象とはしないのが特徴です。

臨終すると末期の水を飲ませる儀式が一般的に行われますが、浄土真宗では行いません。また、浄土真宗には受戒という考えはないので戒名(かいみょう)はありません。仏法に帰依した人ということで法名(ほうみょう)をもらいます

安置した遺体の前には飾りをしないのが建前ですが、枕元に小さな机を置いて、それに白い布をかけ、その上に三具足を置くこともあります。浄土真宗では、枕飾りに水や一膳飯、枕団子は必要ありません。

納棺(のうかん)の場面で、他宗ではいわゆる死装束(しにしょうぞく)を着させることがありますが、浄土真宗ではこうした服はつけません。死装束は、死出の旅に出るためのものですが、浄土真宗では亡くなるとすぐに浄土に往生することが約束されているので、死出の旅に出る必要もなければ、何度も裁判を受けることもないからです。納棺では、本人にとって特別の思い出がある服などを着させてあげると良いでしょう。

一般的には、昼間亡くなった場合、その夜を「仮通夜」、翌日の夜に「通夜」を行います。そして、その翌日に「葬儀」を行って火葬します。

葬儀の日程を決める際に、現代では友引の日を避ける傾向がありますが、友引の日に葬儀を営むと、故人が友人をあの世へ引っ張るというのは、宗教的な根拠とは関係がありません。浄土真宗は迷信を拠り所としない宗派であり、友引の日に葬儀をしてもさしつかえないとされています

また、一般的な風習となっている「清めの塩」も、もともとは日本古来の宗教観に由来するものですが、浄土真宗では死をけがれとする考えはないので、必要ありません。

世間一般に使われている表現でも、浄土真宗ではその教えから、葬儀や法事などの挨拶で使わない言葉があります。例えば、「冥土に旅立つ」「冥福を祈る」「天に召される」「草葉の陰」などの表現は禁止されているので注意しましょう

浄土真宗では、亡くなるとすぐに仏になるという考えなので、香典袋の上書きは「御霊前」ではなく「御仏前」とするのがマナーです。「香典」「香資」「香料」「香儀」でも問題ありません。

焼香の細かい作法については各派によって違いがありますが、浄土真宗では香をつまんでから頭や額のあたりにおしいただくことはしません。左手に数珠を持ち、右手で香をつまんで薫じましょう。本願寺派では1回、大谷派では2回行います。

作法として言えば、浄土真宗の焼香作法では遺族・会葬者に一礼は必要ありませんが、マナーとしては差し支えありません。

浄土真宗では、一般的に宗派にこだわりなく使用できる略式の数珠を使用します。数珠を左手にかけて、輪の中に右手をいれ、合掌します。

 

「浄土宗→開祖:法然聖人(ほうねんしょうにん)」

浄土宗の教えでは、「南無阿弥陀仏」と念仏を唱えれば、阿弥陀仏に救い導かれ、悩みや苦しみのない極楽浄土に往生できます。

いつどこにいても念仏を唱えていれば、死後に極楽浄土に往生できるので、先に往生した祖先や知人とも会えるといわれています。

浄土宗の葬儀の特徴は、「念仏一会(ねんぶついちえ)」と「下炬引導(あこいんどう)」です。念仏一会とは、参列者全員が一定時間念仏を繰り返し唱えることです。本来であれば「どうぞ私をお助けください」という気持ちを込めて唱えますが、ここでは故人に代わって唱えます。
下炬引導という儀式は僧侶が松明に見立てたものを2本取り、1本を捨てます。次に法語を唱えながら残りの1本で円を描き、捨てます。この世を離れ浄土へ導く儀式です。

浄土宗の葬儀は、次のような流れで執り行われます。

1. 序分(じょぶん)
斎場に阿弥陀如来などの仏に入場してもらい、生前のことを仏に懺悔します。

2. 正宗分(しょうじゅうぶん)
引導を含む葬儀の中心です。焼香も行われ、僧侶と参列者で念仏を唱えます。

3. 流通分(るつうぶん)
法要を終えたことを感謝して諸仏と故人を送り出し、葬儀を締めくくります。

浄土宗では、焼香の回数の決まりは特になく、1回で問題ありません。

浄土宗の香典では、表書きは「御香料」「御霊前」などと書きます。 「御仏前」と書くのは四十九日や納骨の際に限られるので、葬儀の際には避けましょう。

 

日蓮宗→開祖:日蓮聖人(にちれんしょうにん)」

南無妙法蓮華経(なむみょうほうれんげきょう)の題目を唱えることが、何よりも重要な修行となっています。それゆえに日蓮宗の葬儀の際には頻繁に南無妙法蓮華経を唱えます。

故人が亡くなった日の夜、または次の日の夜などに通夜を行い、その翌日に葬儀・告別式を実施するのが一般的なお葬式の流れになります。葬儀・告別式は、遺族の集合、受付準備を含めて午前10時頃に開始され、約2時間で閉会するのが通例です。

一般的に、司会者(葬儀社)による開式の宣言がなされ、僧侶による読経が開始されます。その際、日蓮宗の場合「総礼」→「道場偈」→「勧請」→「開経偈」と続き、参列者全員で「読経」→「唱題(お題目を唱えること)」で経本を読み上げ、「南無妙法蓮華経」を唱えるようになります(地域により多少異なります)。

その途中に、日蓮宗独自の「開棺」「引導」と呼ばれる儀式が行われます。「開棺」とは、僧侶が棺の傍に立って棺の蓋を叩き、音を立てながらお経を読み、お供物のお花やお茶、お膳などを祭壇に捧げる儀式です。

「引導」は仏様に故人を引き合わせる儀式で、僧侶は払子(ほっす)と呼ばれる麻や獣毛などを柄につけた仏具を振り、引導文を読みます(宗教者により作法が異なる場合があります)。

葬儀の際の僧侶による読経が終了すると、その後に「南無妙法蓮華経」を唱える唱題が行われ、その間に参列者は焼香を行うことになります。日蓮宗の場合、合掌し一礼して焼香盆の中のお香を右手の親指・人差し指でひとつまみ取って火種に振りかけます。

焼香は3回行うのが日蓮宗の導師の正式な作法とされています。一般参列者の場合は概ね1~3回です。数珠を左手に持ち右手でお香を火種にくべた後、再び合掌一礼し、席へ戻ります。線香を立てる形式の焼香では1本または3本立てます。

日蓮宗の香典では、葬儀のときから四十九日の手前の法要までについては、不祝儀袋の表書きには「御霊前」または「御香典」と書きます。そして、葬儀終了から四十九日以降の法要時には「御仏前」「御香典」と書くようにしましょう。日蓮宗では、亡くなられた方は四十九日を境に成仏されるという考え方をするため、このような区別があります。

 

天台宗→開祖:最澄聖人(さいちょうしょうにん)」

天台宗は「すべての人間はみんな、仏の子どもである」という視点を持っています。また、「真実を求め、追求する心があれば、それが悟りに繋がるのだ」という考え方を有している仏教でもあります。

天台宗を象徴する言葉のうちの一つとして「一隅を照らす」というものがあります。これは「自分自身が輝くことで、周りの人も明るくすることができる。そうした人たちが手を結びあい生きていく世界は、仏の世界と同じである」といった考えであり、天台宗の根幹をなすものでもあります。

さて、この天台宗の葬儀においては(1)顕教法要(2)例時作法(3)密教法要の3つが重要視されます。1つずつ見ていきましょう。

天台宗の掲げる経典は、法華経です。(1)の顕教法要では、この法華経を唱えることによって、日々の懺悔を行います。天台宗では、人はみな仏の子どもでありその身の内に仏性を宿しているので、懺悔することでこの仏性を高めるとしているのです。

次に、「例時作法」について考えましょう。これはお経を唱えることによって、死後に極楽に行くことを祈願するものです。また、お経を唱えることで、現世もまた極楽のようにすばらしい世界にするのだ、という願いも込められています。

密教法要についても解説いたします。定められた印を作り、真言(仏のことば。真実のことば)で故人を弔います。これによって、故人は極楽に行くことができると考えられています。

通夜では、臨終の誦経や通夜の誦経が行われます。これらはすべて「亡くなった後」に行われるものであり、カトリックのお葬式のように、旅立つ前に行われるものではありません。

「剃度式(ていどしき)」と呼ばれるものがあります。これは、水やお香を使って故人の身をお浄めする儀式のことです。「剃度」ということで、髪の毛にもかみそりをあてますが、現在では実際に剃髪をすることはほとんどありません。このときは「仏の元に出家する」という考えがとられます。また、この剃度式が終わった後には戒名が与えられます。

ここまでが通夜で行われるものです。

葬儀の際は、導師によって「列讃(れっさん)」が行われます。穏やかな曲が流れ、打楽器が鳴らされます。阿弥陀如来に迎えられて故人が仏となり、その成仏をお祈りすることになります。

天台宗では、「お茶を供える」という儀式があります。列讃の後には棺が閉ざされるのですが、その後に、茶器を供えるのです。これは「奠湯(てんとう)」「奠茶(てんちゃ)」と呼ばれる儀式です。

天台宗の焼香は基本3回とされています。合掌礼拝をした後、右手の3本の指(親指と人差し指と中指)を使って香をとります。その後、右手に左手を添えて額にいただき、焼香します。これを繰り返したのち、再度合掌礼拝を行います。

もっともこれは、あくまで一つの基準にすぎません。天台宗においては、焼香の回数も明確には決められていないので、1回でよいとするケースもあります。

線香を使う場合は、本数は1本か3本です。1本の場合は真ん中に立てますが、3本の場合はその後ろにさらに2本を立てます。

特徴的なのは「数珠」です。天台宗では一般的な数珠とは異なり、丸い玉を連ねた数珠は使いません。天台宗に使われるのは、楕円形のかたちをした平たい数珠です。一般的には、108個の「主玉」と4つの「天玉」、そして1つの「親玉」が連なっており、親玉からさらに紐が伸びています。その紐には「弟子玉」が連なっています。

天台宗の数珠は、親指と人差し指の間にひっかけるようにして持ちます。そして、弟子玉が連なっている部分を下側に垂らして礼拝することになります。

 

禅宗 臨済宗→開祖:栄西(えいさい)/曹洞宗道元(どうげん)」

禅宗の「禅」とは、仏教における修行法の1つであり、「禅定(ぜんじょう)」ともいわれます。真理を悟るために、雑念を持たずに心を集中させる瞑想のことです。

また、悟りや真理を伝えるために特定の経典や文字を用いず、心から心へ伝えることを「以心伝心(いしんでんしん)」といいます。

臨済宗の葬儀の流れ

葬儀の流れは次の通りです。
1.剃髪(ていはつ)     導師がかみそりをあてるふりをします。
2.懺悔文(さんげもん)     故人の生前の行いを懺悔し、成仏を願います。
3.三帰戒文(さんきかいもん)     仏・法・僧に帰依することを誓います。
4.三聚浄戒(さんじゅうじょうかい)     故人を清めるために洒水灌頂(しゃすいかんじょう)という水を棺に注ぐ儀式を経て、仏門に入ります。
5.入龕諷経(にゅうがんふぎん)     納棺の際に行われる儀式です。「大悲呪(だいひしゅう)」と「回向文(えこうもん)」が読経されます。
6.龕前念誦(がんぜんねんじゅ)     棺を閉ざす時に行われる儀式です。「十仏名(じゅうぶつみょう)」と「大悲呪」「回向文」が読経されます。
7.起龕諷経(きがんふぎん)     柩の蓋をするにあたり、「大悲呪」を読誦し、回向文を読経します。
8.山頭念誦(さんとうねんじゅ)     太鼓を打ち鳴らしながら、往生咒(おうじょうしゅ)を唱えます。
9.引導     導師が引導法語を唱えて、故人を浄土へ送ります。
10.焼香・出棺     読経中に参列者が昇降し、出棺となります。

 

曹洞宗の葬儀の流れ

葬儀の流れは次の通りです。
1.剃髪     導師がかみそりをあてるふりをします。
2.授戒の儀式     ・懺悔文(さんげもん)
・三帰戒文(さんきかいもん
・三聚浄戒(さんじゅうじょうかい)
・十重禁戒(じゅうじゅうきんかい)
・血脈授与(けちみゃくじゅよ)
という5種類の儀式を行います。
3.入棺諷経(にゅうかんふぎん)・龕前念誦(がんぜんねんじゅ)     導師が読経し、参列者が焼香を行います。
4.挙龕念誦(こがんねんじゅ)     導師が読経しながら太鼓や鐃鈸(じょうはつ)を鳴らす「鼓鈸三通(くはつさんつう)」という儀式を行います。
5.引導法語     導師が故人を仏の世界に導く言葉を唱え、線香で円を描きます。
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仏教には様々な宗派があり、各宗派によって葬儀を行う意味や内容が異なります。その中でも、曹洞宗の葬儀には特徴があります。曹洞宗の葬儀を執り行う際には、故人をしっかりと送り出すためにもその特徴を理解しておきたいものです。この記事では、曹洞宗の歴史や教え、葬儀の考え方、葬儀の流れ、儀式と作法についてご紹介します。
黄檗宗の葬儀の流れ

葬儀の流れは次の通りです。
1.剃髪     導師がかみそりをあてるふりをします。
2.授戒     懺悔文(さんげもん)・三帰戒文(さんきかいもん)・三聚浄戒(さんじゅうじょうかい)の儀式を行います。
3.鎖龕法式(さがんほうしき)     読経し、棺を閉じます。なお、黄檗宗では唐音で読まれます。
4.起龕法式(きがんほうしき)     棺を式場に持っていく儀式です。
5.秉炬方式(ひんこほうしき)     葬儀のことです。

禅宗の焼香の作法

臨済宗では、額に押しいただかずに1回行うのが一般的です。曹洞宗では、1回目の焼香では、額に押しいただき香炉に入れます。2回目の焼香では、1回目よりも少量の抹香をつまみ、額に押しいただかずに香炉に入れましょう。

禅宗においては、香典は「御霊前」ではなく「御仏前」と書かれた不祝儀袋に包むのが一般的です。あるいは「御香典」でもかまいません。中央下部に筆ペンか毛筆を用いて、差出人の氏名を記載しましょう。

 

真言宗→開祖:空海弘法大師)(くうかい こうぼうだいし)」

弘法大師空海が開いた真言宗では、葬儀を、全ての本源である「大日如来に帰っていくための儀式」ととらえます。

この身のままで仏になる「即身成仏」を目指し、葬儀を通じて死者に印と真言を授けることで、仏と一体になります。

 

真言宗では「密教」を基盤とする独特な葬儀が行われます。真言宗の葬儀には、以下の特徴があります。

・故人を大日如来の支配する「密厳浄土(みつごんじょうど)」に送り届けるための儀式
・今世で身についた悪い考えや習慣を落とすための儀式
・灌頂(かんじょう)と土砂加持(どしゃかじ)という特徴的な儀式がある

灌頂(かんじょう)
故人の頭に水をそそぎかける儀式。仏の位にのぼることができるとされており、密教特有の儀式です。

 

土砂加持(どしゃかじ)
洗い清めた土砂を火で焚き(護摩)、光明真言を本尊の前で唱えた後に、この土砂を遺体にかけて納棺するもの。この土砂には苦悩を取り除き、遺体にふりかけることで体が柔軟になるとされています。滅罪生善(めつざいしょうぜん)と呼ばれる行為です。

真言宗の葬儀の流れについて見ていきましょう。

僧侶の入場・法要前の密教の準備の行法
塗香(ずこう)、三密観(さんみつかん)、護身法(ごしんぼう)、加持香水(かじこうずい)の法

三礼(さんらい):三礼文を唱えることで仏・法・僧への礼拝を行う

表白(ひょうびゃく)・神分(じんぶん):大日如来をはじめとするさまざまな仏・菩薩に感謝を捧げ、加護を願い、故人の滅罪を願う

声明(しょうみょう):仏典に節をつけた仏教音楽のこと

授戒作法:仏僧に帰依することを宣言し、剃髪、授戒、授戒名により故人を帰依させる

引導の儀式:再び表白・神分を行う。不動灌頂・弥勒三種の印明を授け、故人の即身成仏が果たされる

墓前作法:破地獄の真言を与えて故人の心にある地獄を除き、金剛杵(法具)を授け、血脈(けちみゃく)の授与が行われる

焼香~出棺:僧侶が諷誦文(ふじゅもん)を唱える間に焼香を行う。焼香後は僧侶が導師最極秘印という印を結び、3回指を鳴らしたあとに出棺する

 

焼香の作法は宗派によって違いが見られる大きなポイントです。真言宗では、以下のように行われています。

焼香台に進む

3回焼香を行う。なお、香は額の高さまであげて押しいただく。

合掌

なお、参列者の数によっては、焼香を1回に短縮する指示が出ることもあります。

 

真言宗では、葬儀の際の香典袋の表書きは、「御霊前」「御香典」といったものを使用します。

数珠も宗派によって違いが見られます。真言宗の数珠は振分数珠(ふりわけじゅず)と呼ばれるもの。108個が連なっている本連を使用します。

 

キリスト教葬儀の特徴とマナー

キリスト教には、カトリック系とプロテスタント系の2つの宗派があり、それぞれ内容が異なります。

キリスト教における死は、「滅びだけでなく、新たないのちへの門」であり、その葬儀は、「死者が神の元に召されることを祝福する儀式」です。

故人にとっては地上での最後の祈りの場であり、遺族には、愛する人を神の御手み委ねる祈りの場となります。

葬儀の流れは宗派により頃なりますが、「聖書朗読」「賛美歌等斉唱」「説教」などで構成されます。焼香ではなく「献花」を行い、香典ではなく「お花料」を渡します。

神に召される事を祝福する儀式なので。お悔やみの言葉は言いません。

カトリックプロテスタントの違い

カトリック系葬儀

葬儀では、故人の罪を詫びて神に許しを請い、キリストの再臨と死者の復活を願います。

故人が所属していた教会で行います。

聖職者を「神父(司祭)」と呼び、葬儀と告別式を分けます。通夜の習慣はないものの、最近は「通夜祭」をすることが増えています。

プロテスタント系葬儀

カトリックと比較して自由で柔軟な葬儀で、故人は神のものと安らかになるという思想のもと、神に感謝し遺族を慰める儀式となります。

葬儀と告別式は分けずに行います。また、聖職者を「牧師」と呼び、「前夜祭」をするのが一般的です。

キリスト教葬儀のマナー

服装のマナー

キリスト教の葬儀の服装は、仏教葬と同じ物で問題ありません。

御花料と献花のマナー

「献花料」は、ユリの花や十字架が描かれたのし袋か白無地の封筒に入れて渡します。

その相場は、故人との関係により異なりますが、おおむね仏教の香典と同程度の金額と考えてよいでしょう。

また「献花」は、白い菊やカーネーションの茎を、祭壇に向けて捧げます。右手で花を、左手で茎を持ちます。
お悔やみの言葉は不要

キリスト教の死は、「永遠の命の始まり」であるため、お悔やみの言葉はふさわしくありません。

「安らかな眠りをお祈りいたします」のような、故人の安寧を祈る言葉がよいでしょう。

 

神葬祭の特徴とマナー

日本古来の宗教である神道に基づき行われる葬儀を、「神葬祭」と呼ばれます。

日本では、仏教葬に次いで多い葬儀です。

神葬祭の考え方と特徴

神道の葬儀は、「故人の魂を家に留めて、守護神になってもらう」ための儀式です。

死は「穢れ」とみなされるため、神の聖域である神社では行えず、自宅や式場で行います。また、成仏や冥福、供養などという、仏教で使われる用語は使いません。

神葬祭の流れ

神葬祭は、仏教の通夜・告別式と同様に、2日間に分けて行うのが一般的です。
1日目:「通夜祭」「遷霊祭」

仏教の通夜に相当する「通夜祭」では、神職が祭詞を奏上し、参列者は玉串を奉って拝礼します。

その途中で、死者の御霊を、仏教の位牌にあたる霊璽(れいじ)に移す「遷霊祭(せんれいさい)」も行います。
2日目:「葬場祭」「火葬祭」「葬祭」「帰家祭」「直会の儀」

2日目は、仏教の葬儀・告別式にあたる「葬場祭(そうじょうさい)」で、弔辞の奉呈、弔電の奉読、祭詞奏上、玉串奉奠(たまぐしほうてん)などを行います。

その後、火葬場に移動して「火葬祭」、遺骨を埋めるときには「葬祭」、自宅へ戻って「帰家祭」により、神葬祭が無事に終わったことを霊前に奉告します。

その後、神職やお手伝いを招いて「直会の儀」(なおらいのぎ)を行います。

神葬祭のマナー 神葬祭ならではの儀式

神葬祭の独特な儀礼として、焼香ではなく「玉串奉奠」を行います。榊の枝に紙垂(しで)を付けた玉串を奉上し、二拝二拍手一拝の作法でお参りします。

香典ではなく、「御玉串料」とよびます。また、身を清める為の「手水(ちょうず)の儀」や、雅楽の献曲があるのも特長です。

服装のマナー

服装は、仏教葬と同様の喪服を着用しますが、数珠は使いません。

不祝儀袋のマナー

道では蓮の花の入っていないもので、水引は黒白か双銀を選びます。表書きは「御霊前」「御玉串料」などを使います。

 

友人葬の特徴とマナー

友人葬とは、創価学会員と遺族などが行う葬儀です。

友人葬の考え方と特徴

友人葬では、同じ信者の友人や支部会員、一般の友人も参列します。すでに成仏した人の葬儀とするため、僧侶は呼ばず、創価学会員と遺族が読経して冥福を祈ります。喪主が創価学会の幹部にお願いして導師になってもらい、位牌や戒名もありません。

友人葬の流れ

僧侶は呼ばないものの。一般的な仏教の葬儀と流れは同じです。

 

無宗教葬の特徴とマナー

宗教や慣習に縛られないのが、自由葬と呼ばれる無宗教葬です。

無宗教葬の考え方と特徴

宗教的な要素が含まれないので、特定の決まりや儀礼がなく、故人や遺族の希望をかなえやすいのが特徴です。

故人との「お別れ会」や「偲ぶ会」の要素が強い葬儀です。

無宗教葬の流れ

無宗教なので、僧侶などの宗教人による読経などは原則ありません。

流れなどの決まり事が基本的にありませんので、葬儀社などと希望を話し合いながら組み立てていくことができます。

多いものとしては、故人の好みだった音楽を生演奏する「音楽葬」や、食事をしながら故人を偲ぶ「レストラン葬」、「キャンドル葬」などがあります。

 

このように、宗教、宗派によって様々なしきたりがあります。

ですが、大切なのは故人を思う気持ちであって、しきたりは二の次です。

招く側も来ていただいただけでありがたいと思われることが殆どで、しきたりに反したからと言って咎められるようなことは殆ど無いといっていいでしょう。しかし、事前に分かる範囲で調べることもまた、故人を思う気持ちの一端と言えるのではないでしょうか?